稲沢の教育に責任をもつ組合

2022 教育フォーラムIN稲沢

「稲沢教育を語る市民集会」「稲沢母と女性教師の会」共催

 8月27日(土)名古屋文理大学文化フォーラムとオンラインにて、「2022教育フォーラムIN稲沢」を開催しました。教員223人と保護者132人の合計355人に参加していただきました。
 講演に先立ち、保護者・教員に実施した「褒める」ことについてのアンケート結果を紹介しました。「褒めて伸ばす」ことについては、どちらとも9割以上が肯定的な回答でした。一方で、「褒めるときにご褒美を与えるかどうか」については、どちらとも6割近くが否定的な回答でした。肯定的な回答をした理由としては、「近い将来の目標達成にむけた原動力となる」「努力の成果、目標の達成に対するご褒美はあってよい」というものでした。また、否定的な回答をした理由としては、「がんばる理由が『ご褒美がほしい』になってしまう」というものでした。次に、「褒めるときに気を付けていること」についての記述は、どちらとも「結果ではなく過程を褒める」「具体的に褒める」という意見が多く、「子どもの健やかな成長を願う」気持ちは保護者も教員も同じであることが分かりました。

 講演では、慶應義塾大学教授の中室牧子さんを講師としてお招きしました。中室さんは、「『学力』の経済学」などを執筆され、現在も多方面で活躍されています。演題を「教育に科学的根拠を」として、科学的根拠にもとづいた教育についての話をしていただきました。
 特に、学力やIQといった認知能力だけでなく、自己肯定感やコミュニケーション能力といった非認知能力を育てていくことが大切であるという話が心に残りました。勤勉性、自制心、自己効力感が高い子どもは、学力も高くなるというように、非認知能力と認知能力は相関関係にあるということや、学童期までに形成した非認知能力は大人になっても持続するという話を聞き、学校教育の中で非認知能力を育てていくことの重要性を感じました。そして、わたくしたち大人が、子どものがんばりを認め、具体的に褒めることで、認知能力だけでなく非認知能力を育てることができるということが分かりました。
 3年ぶりの教育フォーラムは、子どもたちの健やかな成長について、保護者と教員がともに考える有意義な時間となりました。

2022/8/27